あさひ中小企業振興財団（技術移転情報）

★ベンチャー萌芽

起業マインドが技術立国を支える

こうした環境整備の成果は徐々にではあるが出てきている。

たとえば、沖縄に立地するベンチャ、マグナ・デザイン・ネット。 次世代に飛躍的な伸びが期待されているデジタル地上波放送受信分野、 インターネットＬＡＮ分野で独自アルゴリズムをベースにＬＳＩ設計を行っている。 沖縄県の産業支援センターに入居している同社は大手電機メーカーを経てシリコンバレーでマーケティングをしていた松尾龍一社長が仲間と立ち上げた。 そのため、社員９名はすべて技術者。 製造は台湾やアジアのパートナーと呼ぶ製造会社で行う。 さらに同社が開発した知的財産権で守られたＬＳＩの機能ブロックを他社のＬＳＩ上での使用を認めることによるライセンス事業も行っている。

つまり、従来の主要製品はなく、「商品は人」（松尾社長）である。 琉球大学情報工学科との開発連携も進めるなど、産学協同も積極的に展開しているが、その同社が沖縄に立地した理由は「行政のバックアップがある」点。 松男社長はシリコンバレーに似た生活環境や勧告、台湾経由での米国へのアクセスのよさといったメリットもあげるが、ベンチャーへの支援を大きく評価する。