地上デジタル放送の1セグメント部分送受信実験に成功
通信・放送機構(TAO)の沖縄地区地上デジタル放送研究開発用共同利用施設にて
沖縄地上デジタル放送実験協議会の会員であるマグナデザインネットは、 地上デジタル放送用にLSI化用に開発した1セグメント部分受信復調OFDM試作ボードを用いて、 2002年10月、その受信性能や移動体性能の広域実験を沖縄地区で行い、 安定した地上デジタル放送の受信ができたことを公表した。 なお、地上デジタル放送は2003年に東京、名古屋、大阪地区で放送開始が予定されている。
今回の実験は、沖縄地上デジタル放送研究開発支援センターの共同利用施設を利用し、 沖縄地上デジタル放送実験協議会の協力を得て、日本地上デジタル放送方式(ISDB-T規格)のうち、 特に1セグメント部分受信性能を調査したものである。
送出センターでMPEG4によりエンコードした動画を16QAM又はQPSKで変調し、 那覇送信所からUHF16ch1kwで送信した。 受信は試作チューナボード経由で1セグメント部分受信復調OFDM試作ボードへ送り、 復調処理してMPEG4で動画再生を行なった。
沖縄高速自動車道路における高速走行やビルなどで囲まれた市街地走行においても、 モード2伝送で鮮明なMPEG4動画が再生でき、悪環境下の電波地域でも安定して受信できることが確認できた。
この実験により、地上デジタル放送の1セグメント部分受信技術の実用化に目処がつき、 地上デジタル放送を小型TV・PDA・携帯電話などの携帯機器や車載などの移動体でのTV放送受信が可能であることを実証した。 なお、復調OFDM試作ボードはメガチップスとの共同開発であり、MPEG4関連はメガチップス、チューナはアルプス電気が協力した。